公務員の病気休暇、休職をまとめて解説(期間、給与、賞与、復職、再発)

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公務員の「病気休暇」や「休職」の制度について、ポイントや注意点をまとめて紹介します。

本記事で分かること
  • 病気休暇や休職は何日くらい取得できるのか、必要な手続きは?
  • 給与や賞与はどのくらい下がるのか?
  • 復職の進め方や目安は?職務復帰後に再発した場合はどうなるの?

月例給与は病気休暇中は、満額支給されます。休職中は1年間は80%支給、1年から2年6か月までは無給ですが、疾病手当金が約2/3(66%)支給、2年6か月以降の半年間は完全無給になります。

※仕事が気になると思いますが、診断書が出たらしっかり休むときです。
 その理由を体験を交えて記事の最後に書いてます。

それでは簡単に解説します。

無理しないでくださいね

公務員の病気休暇、休職の期間別給与、賞与

公務員の病気休暇は90日!取得には「診断書」が必要

公務員の病気休暇は、最大90日(約3か月)です。

病院の診断書が必要で、次のような言葉が書かれていることが条件です。

・療養の期間
自宅療養が必要であること

たとえば、ケガやリハビリ等は、通勤できるのではと疑われないように

病気休暇中の給与は100%満額支給

病気休暇中は、給与が100%支給されます

※民間企業では、病気休暇で満額支給はありません。(民間の病気休暇例)

病気やケガで会社を休んだとき | こんな時に健保 | 全国健康保険協会

病気休暇は、賞与(期末勤勉)は期間割合で減額の可能性

病気休暇は、取得期間によって賞与が減額の可能性があります。

賞与は、期末手当と勤勉手当の合算です。

期末手当は満額支給ですが、勤勉手当は、要勤務日(土日祝日を除く)が30日を超えた場合に、減額となります。

病気休暇でも、期末手当は満額支給

病気休暇をとっても、期末手当は、満額支給されます。

病気休暇では、勤勉手当は減額の可能性(最大50%減額)

病気休暇の勤勉手当は、取得期間によって減額になります。

6月賞与は、6/1基準日として、前年12月2日~6月1日の期間を見ます。

12月賞与は、12/1基準日として、6月2日~12月1日の期間を見ます。

対象期間中に、要勤務日(土日祝日を除く)が30日を超えた場合、超えた期間分に応じて減額となります。

勤勉期間率はこちらから確認

病気休暇から復職するには

病気休暇から復職するには、診断書に定められた期間を超えれば復職できますが、

次の場合は復帰のための診断書が必要になります。

  • 入院した場合
  • 2週間(14日)以上、療養した場合
  • 精神障害による場合(精神・神経疾患を含む)
  • 感染性疾患の場合
  • 前回の診断書の指定期間より早く復帰できる場合
  • 再発による場合

病気休暇から復職後の再発について(リセット期間は1か月or1年)

病気休暇から復職後に、再発してしまった場合。再発までの勤務期間が短い場合は、病気休暇が90日付与されません。

再発が初回の場合は、再発までの勤務期間が1か月未満なら、前期間に通算。1か月以上でリセット

(例)再発までの勤務期間が1か月未満で、前回の病気休暇が60日だった場合は、通算されるので、再発後の付与日は30日

再発が2回目以降は、再発までの勤務期間が1年未満なら、前期間に通算。1年以上でリセット

(例)再発までの勤務期間が1年未満で、前回の病気休暇が60日だった場合は、通算されるので、再発後の付与日は30日

1年以上勤務すれば、90日にリセットされます。

病気休暇後は、休職処分へ。公務員の休職は3年間!取得するには

病気休暇が満了した後は、休職処分になり、最大3年間取得できます。

ただし、月例給与は、次のとおり減額され、長引くと支給されないことになります。

休職中の給与支給について(減額から無給)

公務員の病気休暇、休職の期間別給与、賞与

1年間は有給だが、80%支給

休職開始から1年間。給与は支給されますが、80%に減額されます。

1年以上2年6か月は無給だが、疾病手当金66%支給(1年6か月間)

休職から1年以上になると、給与は支給されません。

ただし、1年6か月間、共済組合から疾病手当金が支給されます。(申請が必要)

疾病手当金は、3分の2程度(約66%)になります。

2年半から3年までの半年は、完全無給(給与天引き分は、本人が出費…)

休職が2年6か月を超えると、無給になります。

更に、いままで給与から天引きされていた「共済保険料」等は、支払う必要があるので、マイナスになります。

予想外の出費…

休職中の賞与。1年間は減額、2年目以降は支給なし

休職中でも、当初は減額して支給されます。2年目以降は支給無しです。

6月賞与は、6/1基準日として、前年12月2日~6月1日の期間を見ます。

12月賞与は、12/1基準日として、6月2日~12月1日の期間を見ます。

有給休職者(1年目まで)の期末手当は減額

期末手当は、基準期間中の「休職期間の1/2」に対して、期末期間率に応じて減額となります。

基準日現在の休職者は80%支給です。

有給休職者(1年目まで)の勤勉手当は減額または支給なし

基準日現在の休職者は、支給なし

基準日現在に復職している場合は、基準期間中の「休職期間」に対して、勤勉期間率に応じて減額となります。

勤勉期間率はこちらから確認

無給休職者(休職2年目以降)は賞与支給なし

無給休職者(休職2年目以降)は、支給なしです。

休職から復職するには

休職から復職するには、病院の診断書が必要になるとともに、職場リハビリが必要になります。

職場の産業医の意見も必要になります。

休職から復職後の再発について(リセット期間は1年)

休職から復職後に再発してしまった場合のお話です。

再発までの勤務期間が1年未満なら、前期間に通算。1年以上でリセット

(例)再発までの勤務期間が1年未満で、前回の休職が1年だった場合は、通算されるので、再発後の付与日は2年間

1年以上勤務すれば、再発・療養休暇90日から始まるように、リセットされます

参考:公務員の病気休職者(精神)の年間推移は、増え続けている

公務員の長期病休者は増え続けています。増加の内訳は、精神によるものです。

公務員の長期病気休暇者は増えている(グラフ)
【参考】公務員の長期病気休暇者は増えています
https://www.jalsha.or.jp/tyosa/result/

公務員の病気休暇・休職まとめ

病気休暇、休職についてまとめました。

診断書が出た以上は、今はしっかり休むときです。

私自身も病気休暇になった経験があり、早く復職しなければという思いが強かったのですが、

復職後に全力で職務に当たれなかったり、少し再発する日があったりと、苦労しました。

逆に職場に心配をかけてしまったので、しっかり養生するのも大事だったなと感じます。

また、無理に復職しようとして、悲しい結果になった方も見てきました。

それだけは絶対に、避けなければならないのです。

職場に迷惑が掛かるという思いに対して

激務部署の中で一人欠けると、職場に迷惑がかかるのではないかと思ってしまいますが、大丈夫です。

公務の職場は、組織的に危機に対して非常に強いのです。

職場は今いる人でやるしかないと割り切ってやりますし、なぜか意外と回せます。

場合によっては他から応援要員を出すなど、職場崩壊が起きないように上の方で調整します。

(起きてから調整する場合もありますが…)

自分だけで考えると、無理してしまう傾向がありますので、第三者にも意見を聞くとよいかなと思います。

職場は今いる人でやるしかないと割り切ってやりますし、意外と回せます。

場合によっては他から応援要員を出すなど、職場崩壊が起きないように上の方で調整します。

自分だけで考えると、無理してしまう傾向がありますので、第三者にも意見を聞くとよいかなと思います。

例えば、加入する共済組合に、電話相談窓口がありますので是非ご活用ください。

地共済こころの健康相談窓口|地方職員共済組合

無理しないでくださいね

精神の場合は、職場環境や人間関係とのマッチングが理由になっていることが多くあります。

決して、自分の能力不足だとか努力不足ということではありません。

仕事内容が自分に合わないと思う場合は、ご自身の適性診断を受けてみたり、

別の選択肢を取るのも一つだと思います。

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