公務員の昇給日は、国家公務員は1月1日。地方公務員は1月1日又は4月1日です。
自治体ごとに定められてますが、1月1日付けが多いです。
昇給額は、号給表によるので一律に思えますが、人事評価で上がる号給(号俸)が変わります。
また、昇格によっても給料は上がります。
給料表を見ると、昇給額は数千円~1万円強ですが、この月例給与をもとに、各種手当金(地域手当、時間外手当、期末勤勉手当等)が変わるため、実質1割増し程度の効果があります。(人事評価で生涯年収が数百万円変わる!?)
具体的な昇給額の計算方法を含めて、簡単に解説します。
公務員の昇給は、いつ?
公務員の昇給は「定期昇給」と「昇格による昇給」の2つがあります。
定期昇給(1月1日または4月1日)
定期昇給は、年(度)に1回おこなわれ、時期は次のとおりです。
- 1月1日または4月1日
地方自治体によって定められています。
昇格(昇任)した場合(四半期ごと、人事異動)
昇格(昇任)する場合も、給料表が上がります。
たとえば、次のとおりです。
- 主事から主査に上がった(職務経験年数による昇格)
- 担当級から係長級に上がった(役職昇格・人事異動)
後者は、人事異動の時期。
前者は、四半期ごとに実施します。(1月1日、4月1日、7月1日、10月1日)
なお、昇任とは次のとおり地方公務員法により定められています。
昇任 職員をその職員が現に任命されている職より上位の職制上の段階に属する職員の職に任命すること(地公法15条の2第1項2号)
昇格 職員の職務の級を同一の給料表の上位の職務の級に変更することをいう。
公務員の昇給額は、いくら?
公務員の給与は、給料表の「職務の級」と「号俸」によって金額は決まります。
定期昇給は、人事評価結果を受けて、号俸がどの程度上がるか決まります。
給料表の「職務の級」と「号俸」によって金額は決まる
公務員の給料は、自治体ごとに定めた、給料表により定められています。
定期昇給は、号俸が上がることです。下表では、下にいく(号給の数字が上がる)ことを意味します。
昇格昇任は、職務の等級が上がることです。下表では、右にいく(級が上がる)ことを意味します。
人事評価結果により、上がる号給(号俸)は変わる!
基本的に5段階で評価します。下表は国家公務員の例です。
※自治体により、数字は異なります。
東京都の場合
初任給、昇格及び昇給等に関する規則(昇給の基準) より抜粋
第二十八条 昇給させる場合の号給数は、人事評価の結果について、標準を四号給として、零から六号給までの範囲内とする。
https://www.reiki.metro.tokyo.lg.jp/reiki/reiki_honbun/g101RG00000375.html
昇格後の号給(号俸)は、昇格時号給対応表による
昇格昇任した場合、つまり、職名が変わった、等級が上がった場合は、各自治体で定める「昇格時号給対応表」等によります。
(昇格の場合の号給) 抜粋
東京都:初任給、昇格及び昇給等に関する規則
第二十条 職員を昇格させた場合におけるその者の号給は、昇格時号給対応表により得られる号給とする。
昇給額の計算方法(昇格、定期昇給)
東京都の給料表をもとに、昇格の場合と、定期昇給の場合(人事評価;標準、優秀)を具体的に計算してみます。
昇格昇任したケース
たとえば、東京都の例でいうと、1級61号給から昇格する場合は、2級29号給になります。
昇給額は、11,000円です!
昇格前 | 昇格後 | 昇給額 | ||
1級61号 | 240,600円 | 2級29号 | 251,700円 | 11,100円 |
なお、定期昇給が同じ日だった場合は、昇格後に昇給計算します。
定期昇給のケース(人事評価:標準)
2級29号の人が定期昇給する場合、たとえば、人事評価結果が、標準の4号給だった場合は、2級33号に上がります。
昇給額は、8,200円です!
昇給前 | 昇給後(標準4号) | 昇給額 | ||
2級29号 | 251,700円 | 2級33号 | 259,900円 | 8,200円 |
定期昇給のケース(人事評価:優秀)
2級29号の人が定期昇給する場合、たとえば、人事評価結果が、優秀の6号給だった場合は、2級35号に上がります。
昇給前 | 昇給後(優秀6号) | 昇給額 | ||
2級29号 | 251,700円 | 2級35号 | 263,700円 | 12,000円 |
昇給額は、12,000円です!
人事評価が標準の場合と比べて、3,800円変わります
人事評価の結果で、生涯年収が数百万円変わる!?
月3,800円といえど、年額にして45,600円。期末勤勉手当を4か月程度と考えると60,800円。東京都は地域手当が20%なので、年72,960円。時間外手当等を考慮すると年10万円近くになります。
以後、30年、その差が埋まらなかったとして生涯年収で300万円になります。
給料表によるので、等級ごと号級ごとの昇級幅は一定でないため、生涯年数の差は目安ですが、数百万円にはなるでしょう。
なお、55歳で昇給が緩やかになったり、等級ごとに最高号級が定められているため、50代後半で頭打ちになる場合もあります。
公務員の昇給とは まとめ
公務員の昇給にも、人事評価が関わります。
一見すると少額に思えますが、生涯年収にかかわるので、長い目でみるとかなり大きな差になります。
1月1日付の辞令を見る参考になれば幸いです。
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