公務員の地域手当、令和9年度の支給割合が決まった|令和8年10月の通知で上がる地域・下がる地域

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結論:割合が変わるのは令和9年4月。10月に「令和9年度の割合」が公式に示された

先に誤解を解いておきます。地域手当の割合は、2026年10月に変わったわけではありません。

2026年(令和8年)8月7日の人事院勧告を受けて、10月9日に政府が給与改定の取扱いを閣議決定し、同日、総務省が地方公共団体あてに通知(総行給第71号ほか)を出しました。この通知の別紙2・別紙3で、令和9年度(2027年4月〜)の地域手当の級地と支給割合が示された、というのが10月の出来事です。

つまり今月の給与明細は変わりません。変わるのは2027年4月分の給与からです。

前提:地域手当は「5段階への移行」の途中(3年目)

地域手当は令和6年の人事院勧告で大きく見直されました。

  • 級地区分を7段階(20・16・15・12・10・6・3%)から5段階(20・16・12・8・4%)へ再編
  • 支給地域の単位を市町村単位から都道府県単位を基本に(中核的な市は個別に設定)
  • 激変緩和のため段階実施。下がる地域は1年に1ポイントずつ、上がる地域は原資の状況を見ながら段階的に引き上げ
  • 異動保障は2年から3年へ延長

令和7年度が移行1年目、令和8年度が2年目、そして今回示された令和9年度が3年目です。級地の振り分け自体(別紙2)は令和8年度から変更ありません。今回動いたのは「経過措置としての令和9年度の実際の支給割合」(別紙3)です。

令和9年度の割合 早見表(旧級地 × 新級地)

自分の割合は「見直し後の級地」と「見直し前の級地」の組み合わせで決まります。

見直し後の級地(最終割合)見直し前の級地令和9年度の割合(参考)令和8年度前年度比
1級地(20%)1級地(20%)20%20%±0
2級地(16%)2級地(16%)16%16%±0
2級地(16%)3級地(15%)16%16%±0
2級地(16%)4級地(12%)16%16%±0
2級地(16%)5級地(10%)16%15%+1
2級地(16%)6級地(6%)16%14%+2
2級地(16%)7級地(3%)16%11%+5
2級地(16%)非支給地(0%)16%10%+6
3級地(12%)2級地(16%)13%14%−1
3級地(12%)3級地(15%)12%13%−1
3級地(12%)4級地(12%)12%12%±0
3級地(12%)5級地(10%)12%12%±0
3級地(12%)6級地(6%)12%11%+1
3級地(12%)非支給地(0%)12%8%+4
4級地(8%)4級地(12%)9%10%−1
4級地(8%)5級地(10%)8%8%±0
4級地(8%)6級地(6%)8%8%±0
4級地(8%)7級地(3%)8%8%±0
4級地(8%)非支給地(0%)8%7%+1
5級地(4%)6級地(6%)4%4%±0
5級地(4%)7級地(3%)4%4%±0
5級地(4%)非支給地(0%)4%4%±0
非支給地(0%)7級地(3%)0%1%−1

(出典:総務省通知 別紙3「令和9年度の地域手当の級地別支給割合」。人事院勧告の別表第6と同内容)

読み方のポイント3つ

  1. 上がる地域は、令和9年度でほぼ最終割合に到達します。特に新2級地のグループは全員が16%に到達。もともと非支給地だった地域は令和8年度の10%から一気に16%へ、前年比+6ポイントという大きな上がり方をします。新3級地でも非支給地だった地域は8%→12%で到達です。
  2. 下がる地域は、約束どおり「あと1ポイント」。新3級地で旧2級地だった地域は14%→13%(最終12%まであと1ポイント、令和10年度に到達見込み)、新4級地で旧4級地だった地域は10%→9%(最終8%まであと1ポイント)。急に最終割合まで落とされることはありません。
  3. 旧7級地で非支給地になる地域は、1%→0%で支給終了。金額は小さくても「手当がなくなる」のは心理的にも大きい変化です。該当する勤務地の方は給与明細で確認を。

金額で見る影響(算定基礎30万円の試算)

地域手当は(俸給+俸給の特別調整額+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)に割合を掛けて計算し、期末・勤勉手当の基礎額にも入ります。算定基礎を30万円とした概算です。

  • +6ポイント(非支給地→新2級地):月+18,000円、月例分だけで年+216,000円。賞与への反映(年4.70月分で概算)まで入れると年約30万円増
  • +4ポイント(非支給地→新3級地):月+12,000円、年約20万円増
  • −1ポイント(引下げ地域):月−3,000円、年約5万円減

※実際の額は本人の俸給・扶養の状況と、賞与の支給月数・成績率で変わります。

自分の割合の調べ方(3ステップ)

  1. 勤務地の「見直し後の級地」を確認する(別紙2:都道府県が基本単位で、個別指定の市はそちらが優先)
  2. 「見直し前の級地」(令和6年度までの区分)を確認する。分からなければ、現在の給与明細の支給割合と上の早見表の令和8年度欄を突き合わせると組み合わせを特定できます
  3. 早見表で交差する令和9年度の割合が、2027年4月からの自分の割合です

級地の振り分け(別紙2の要約):

  • 1級地 20%:東京都特別区
  • 2級地 16%:東京都(特別区を除く)。個別指定は つくば市、横浜市・川崎市・藤沢市・厚木市、大阪市・吹田市
  • 3級地 12%:神奈川県、大阪府が基本。個別指定は さいたま市・蕨市・志木市・和光市、千葉市・成田市・習志野市・我孫子市・袖ケ浦市・印西市、取手市・守谷市、裾野市、名古屋市・刈谷市・豊田市・豊明市・日進市、長岡京市、西宮市・芦屋市・宝塚市
  • 4級地 8%:愛知県、京都府が基本。個別指定は 仙台市・多賀城市、水戸市・日立市・土浦市・龍ケ崎市・牛久市、川越市・東松山市・狭山市・上尾市・朝霞市・新座市・桶川市・富士見市・坂戸市・鶴ヶ島市・ふじみ野市、市川市・船橋市・松戸市・佐倉市・柏市・市原市・八千代市・富津市・浦安市・四街道市、静岡市、四日市市・鈴鹿市、大津市・草津市・栗東市、神戸市・尼崎市・明石市・伊丹市・高砂市・川西市・三田市、奈良市・大和郡山市・天理市、広島市、福岡市・春日市・福津市
  • 5級地 4%:茨城県、栃木県、埼玉県、千葉県、静岡県、三重県、滋賀県、兵庫県、奈良県、広島県、福岡県が基本。個別指定は 札幌市、富谷市、前橋市・高崎市・太田市、富山市、金沢市、甲府市、長野市・松本市・塩尻市、岐阜市、和歌山市・橋本市、岡山市・倉敷市、高松市
  • 上記以外の地域:非支給地

地方公務員は「これが基本」。最終決定は自分の自治体

総務省通知が地方に求めているのは、この国の基準と令和9年度の割合に基づいて級地・割合を定めることを「基本」とする、という扱いです。国の割合がそのまま自動で決まるわけではなく、最終的には各自治体の条例で決まります。

通知には2つの注意書きもあります。

  • 基本の割合で給与水準が著しく上がる場合は、住民の理解と納得が得られるよう適切に対応すること
  • 基本と異なる割合を定める場合は制度の趣旨を没却しない割合にし、基本を超える割合にする場合は議会・住民への説明責任を果たすこと

自分の自治体の令和9年度の扱いは、今後の人事委員会の勧告・報告と条例改正の動きで確認してください。

同じ10月9日通知の、ついでに知っておきたい点

  • 転居手当の新設(令和9年4月〜):単身赴任手当の加算額を分離・再編し、転居を伴う転勤をした職員を広く対象にする。東京→大阪の異動で年額約22万円(単身赴任者は約49万円+別途基礎額年36万円)の試算
  • 広域異動手当の引上げ(令和8年4月に遡及):60km以上300km未満 5%→8%、300km以上 10%→16%。地方でも広域異動手当の新設で対応する必要が生じたと通知は明記

まとめ

  • 10月に決まったのは「令和9年度の割合」。給与に反映されるのは2027年4月から
  • 上がる地域は令和9年度で最終割合に到達する先が大半。下がる地域は1ポイントずつの段階実施が続く
  • まずは自分の勤務地の新旧の級地を確認し、早見表で令和9年度の割合を押さえておくのが先決

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出典:人事院「本年の給与勧告のポイント」(令和8年8月)、総務省「地方公務員の給与改定等に関する取扱いについて」(令和8年10月9日・総行給第71号ほか)別紙2・別紙3

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