結論:寄付する側の手続きは変わらない。変わったのは自治体側のルール
2026年10月1日から適用された改正で、寄付する側が覚える新しい手続きはありません。自己負担2,000円、上限額の計算、ワンストップ特例の手続きは従来どおりです。
変わったのは、ふるさと納税を受け付ける自治体が守る指定基準です。ここを混同しないことが、この改正の読み方の出発点です。
変わらない3つ
- 自己負担2,000円
- 控除の上限額の計算のしかた(年収や家族構成で決まる点は従来どおり。ただし2026年版で再計算することは別記事で扱う)
- ワンストップ特例の手続き(申請書は2027年1月10日必着。消印有効ではない点に注意)
変わった2つ
- 自治体が地域の事業に使えるお金の割合(寄附金活用可能額=寄附額−募集費用)
- 新基準は最終的に60%以上。経過措置として52.5%(2026年10月)→55%(2027年10月)→57.5%(2028年10月)→60%(2029年10月)と段階的に上がる
- 経費側に言い換えると上限は47.5%→45%→42.5%→40%(改正前の経費上限は50%)
- 根拠法:改正地方税法(令和8年法律第2号、2026-03-31公布)。令和8年指定対象期間(2026-10-01〜2027-09-30)の指定から適用
- 返礼品の判定基準(地場産品基準)の厳格化
- 区域内で生じた価値が過半であること(付加価値基準)など。検品・包装・シール貼りだけでは認められない例が総務省Q&Aで明示されている
- 返礼品の「3割ルール」(調達費≦寄附額の3割)は法律事項で不変。調達費は店頭価格ではなく自治体が実際に支出した金額ベース
「慌てなくていい」の裏付け数字
- 令和6年度実績:寄附受入額1兆2,728億円、募集費用合計46.4%、自治体に残る分53.6%。10月からの新基準(52.5%以上)は全国平均ですでにクリアしている
- 2025年度:受入額1兆3,314億円、経費47.9%
- 効いてくるのは令和11年の60%の方。つまり「10月をまたいだ瞬間に返礼品がごっそり減る」話ではなく、制度が本来の目的(自治体に残るお金を増やす)に近づいていく流れ
いま実際に起きていること(2026年10月時点の注意点)
- 10月1日以降、基準に疑義が生じた返礼品は掲載取り止め・送付停止になっている(適合性が疑わしい時点で止まる仕組み)
- 第1期の追加確認:2026年10月23日〜12月24日。ここで戻る品もあり得るが保証なし
- 実用アドバイス:ポータルの「お気に入り」「カート」「寄附受付履歴」で、去年と同じ品が今も申し込めるか確認する。掲載が続いても寄附金額が上がっていたり内容量が減っていたりすることがあるので、上限額の再計算が必要
年末に向けての実務まとめ
- 2026年分として数えられるのは、2026年12月31日(木)までに寄付が完了した分まで。返礼品の到着日は関係ない
- 寄付日は支払い方法で決まる(クレジットカードは申込・決済完了日、銀行振込は振込日、コンビニ払いやPay-easyは実際に支払った日)。12月31日夜の駆け込みは避ける
- ワンストップ特例の申請期限は2027年1月10日(日)必着。紙の申請は郵送の時間を考えると年内に動くのが安全
- ポータルや自治体によっては年末の受付を早めに締め切るところもあるので、申し込むポータルの案内を早めに確認しておくと安心です
関連記事

ふるさと納税はいくらまで?上限額の目安を年収・家族構成別に解説【早見表つき】
ふるさと納税で自己負担2,000円に収まる上限額の目安を、総務省の早見表をもとに年収・家族構成別に解説。住宅ローン控除やiDeCo、副業収入で上限が下がるケースと、年末に慌てない安全な寄付ペースも元税務職員が説明します。



ふるさと納税のワンストップ特例で失敗しない3ステップ|申請期限は2027年1月10日必着
ふるさと納税のワンストップ特例は、確定申告なしで寄付金控除が受けられる制度。公務員が失敗しやすいポイントと、2026年分の締め切り・申請期限を元税務職員が解説します。



公務員の資産形成まとめ|保険・投資・不動産・転職・節税の全体像
公務員の安定収入を活かす資産形成の全体像をまとめました。円の価値が下がる時代に、保険の見直し、NISAとiDeCo、不動産投資、転職・副業、ふるさと納税などの節税まで、公務員ができる選択肢を元税務職員が整理します。
人気記事はこちら!



公務員を辞めたい方へ。退職願/退職届の書き方、出し方、いつまでがよいか。「辞める前に確認したいこと」
公務員を退職する場合は、「退職願」を提出します。民間企業と違い「退職届」ではありません。提出先は所属長(課長)がマナーであり、一般的です。その後、人事担当者が任命権者に退職の承認をいただく流れとなります。できれば遅くとも退職希望日の1ヶ月前には、10月までには提出しましょう。



【2026年】公務員のボーナスは4.70月に増額|12月はいくら増える?人事院勧告【令和8年】
公務員のボーナス(賞与)は、 2026年度(令和8年度)、2027年度(令和9年度)は、引き上げ!4.65→4.70月に0.05月分増加です。期末手当及び勤勉手当の支給月数をともに0.025月分引上げます。例年8月の人事院の給与勧告により確定します。かんたんに解説します。



コメント