ふるさと納税の寄付は、2026年12月31日までに完了した分が今年の控除対象です。年末が近づくと「結局、いくらまで寄付していいのか」で迷う人が一気に増えます。
結論から言うと、上限額は「年収」と「家族構成」でだいたいの目安がつかめます。この記事では、総務省が公表している早見表をもとに目安を示し、そのうえで「目安より上限が下がるケース」と「年末に慌てないための安全な進め方」を、元税務職員の立場から整理します。
正確な金額まで詰めたい方は、先に目安をつかんでから、シミュレーションで計算するのが近道です。
上限額の目安【早見表】
自己負担2,000円に収まる寄付額の年間上限の目安です(総務省「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」をもとに作成)。
| 給与収入 | 独身または共働き | 夫婦(配偶者控除あり) | 共働き+子1人(大学生) | 夫婦+子1人(高校生) |
|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 28,000円 | 19,000円 | 15,000円 | 11,000円 |
| 400万円 | 42,000円 | 33,000円 | 29,000円 | 25,000円 |
| 500万円 | 61,000円 | 49,000円 | 44,000円 | 40,000円 |
| 600万円 | 77,000円 | 69,000円 | 66,000円 | 60,000円 |
| 700万円 | 108,000円 | 86,000円 | 83,000円 | 78,000円 |
| 800万円 | 129,000円 | 120,000円 | 116,000円 | 110,000円 |
※この表の前提は「収入が給与のみ」「住宅ローン控除や医療費控除など、他の控除を受けていない」場合です。当てはまらない方は、次の章の「上限が下がるケース」を必ず確認してください。
※「大学生」は19歳から22歳の特定扶養親族、「高校生」は16歳から18歳の扶養親族を指します。
たとえば、給与収入700万円で配偶者控除のある夫婦なら目安は86,000円。ここまでなら、自己負担2,000円を除いた全額が所得税と住民税から控除されます。
なぜ人によって上限が違うのか
上限額の中心は「住民税の所得割額の2割」です。ふるさと納税の控除のうち、住民税の特例控除分が「所得割額の2割まで」と決まっているため、所得割額が大きい人ほど上限も大きくなります。
所得割額は、収入そのものではなく、給与所得控除や配偶者控除・扶養控除などの各種控除を差し引いた後の課税所得をもとに計算されます。だから同じ年収でも、配偶者控除や扶養控除がある人は課税所得が小さくなり、上限額も下がる、というわけです。
年収が上がると上限が増えるのも、家族構成で差が出るのも、この仕組みで説明がつきます。
目安より上限が下がる5つのケース
早見表はあくまで標準形です。次のいずれかに当てはまる人は、実際の上限が表より下がります。公務員が当てはまりやすい順に挙げます。
1. 住宅ローン控除を受けている
住宅ローン控除で所得税が引ききれない分は住民税からも控除されます。その分、ふるさと納税に使える住民税の枠が圧縮され、上限が下がります。マイホームを買ったばかりの年は特に注意が必要です。
2. iDeCoなどの掛金を払っている
iDeCoの掛金は全額が所得控除(小規模企業共済等掛金控除)になるため、課税所得が下がり、上限も下がります。節税としては正しい行動ですが、ふるさと納税の枠はその分小さくなる、とセットで覚えておくと混乱しません。
3. 医療費控除を受ける年
医療費控除も所得控除です。出産や入院、歯科治療などで医療費控除を申告する年は、上限が下がります。
4. 家族構成が年の途中で変わった
子どもが就職して扶養を外れた、配偶者が働き始めて配偶者控除が外れた、といった変化があると、前年の感覚で寄付すると上限を超えやすくなります。逆に、子どもの進学で特定扶養親族になると上限は下がります。
5. 給与以外の所得がある
副業の事業所得や不動産所得がある人は、上限は「所得全体」で決まります。給与の早見表がそのまま使えないので、確定申告をする人は前年の申告書をもとに計算し直すのが安全です。公務員大家や、副業収入のある公務員はここが盲点になりがちです。
このほか、残業代や手当の増減で今年の年収自体が見込みとずれることも、上限オーバーの典型的な原因です。公務員は残業代の変動が大きいので、年収の見込みは少し控えめに置くのが無難です。
年末に慌てない、安全な寄付の進め方
上限を超えた分は、ただの寄付(自己負担)になります。それを避けるための進め方はシンプルです。
- まず早見表の目安の「9割」でいったん止める
- 12月の賞与と給与が確定したら、残りの枠を計算して最後に寄付する
- 正確な金額はシミュレーションで確認する
正確な上限額は、ふるなびの控除シミュレーションで年収や家族構成を入れて計算できます。ふるなびの控除シミュレーションはこちら
また、前年の住民税決定通知書が手元にある方は、所得割額から逆算する方法もあります。詳しい計算の流れは、こちらの記事で解説しています。
寄付が済んだ後の手続きでつまずくと、せっかくの控除が受けられなくなります。ワンストップ特例の期限(2027年1月10日必着)や失敗パターンは、こちらにまとめました。
まとめ
- 上限額の目安は「年収×家族構成」の早見表でつかめる
- 仕組みの中心は「住民税の所得割額の2割」。控除が多い人ほど上限は下がる
- 住宅ローン控除・iDeCo・医療費控除・家族構成の変化・副業収入がある人は、目安より低めに見る
- 年末は「目安の9割→12月に確定してから残り」が安全
目安がつかめたら、あとは期限内に寄付を完了させるだけです。返礼品選びと寄付は、こちらからどうぞ。ふるなびで返礼品を探す
公務員の資産形成全体の話は、まとめ記事にも整理しています。













コメント