公務員は「安定している」とよく言われます。
たしかに、毎月の給与は大きく変動しにくく、資産形成に取り組む人の割合はそれほど多くないように感じます。
※市役所の人事経験をしていたので、年末調整からその傾向は読み取れます
一方で、最近の物価上昇や社会保険料、住宅費、教育費などを考えると、今後のお金について漠然と不安を感じることもありますよね。
そんな人に読んでほしいのが、「手取り25万円、妻子持ちでも7000万円貯めた私の 氷河期世代のお金の戦略」です。
Xで以前からフォローしている「ななしさん」の著書ですが、その資産形成に派手さはありません。
地道でコツコツ。まさに公務員向けです。
単なる投資本というより、「これからのお金をどう考えていくか」を整理する本として、公務員にも参考になる内容だと感じました。
公務員は本当に「お金の心配がいらない」のか
公務員の強みは、何といっても収入の安定性です。
景気が悪くなったからといって、突然収入が大幅に減る可能性は低いでしょう。
これは資産形成において大きなメリットです。
ただし、「収入が安定していること」と「将来のお金が十分にあること」は別問題です。
定年まで働いたとして、退職後に毎月いくら必要なのか。
年金はいくら受け取れるのか。
退職金を含めると、老後資金はどの程度準備すればいいのか。
こうしたことを具体的に考えたことがあるでしょうか。
「公務員だから何とかなる」と考えるのではなく、自分の場合はいくら必要なのかを数字で確認することが大切です。
「老後2000万円」ではなく、自分に必要な金額を考える
資産形成を考えるとき、「老後2000万円問題」のように大きな数字が話題になることがあります。
しかし、必要な老後資金は人によって違います。
生活費が月25万円なのか30万円なのか。
住宅ローンが残っているのか。
賃貸なのか持ち家なのか。
何歳まで働くのか。
年金はいくら受け取れるのか。
こうした条件によって、必要な金額は大きく変わります。
本書で重要なのは、いきなり「投資でいくら増やすか」を考えるのではなく、まず将来いくら必要なのかを考えること。
そのうえで、現在の収入や支出から、どの程度を貯蓄・投資に回せばいいのかを考えていきます。
この考え方は、公務員の資産形成にも非常に取り入れやすいと思います。
公務員の資産形成は「大きく稼ぐ」より「仕組みを作る」
公務員の場合、資産形成のために転職して年収を大幅に上げる、という方法は必ずしも現実的ではありません。
もちろん収入を増やす方法はありますが、多くの場合、資産形成の基本になるのは現在の給与です。
だからこそ重要なのが、毎月の給与をどう配分するかです。
- 生活費にいくら使うのか。
- 貯蓄はいくらにするのか。
- NISAなどを利用して、いくら投資するのか。
- そして、それを何年続けるのか。
本書で紹介されている資産形成は、派手な方法ではありません。
収入の範囲内で生活し、支出をコントロールし、余裕資金を長期的に運用する。
一見すると当たり前のことですが、資産形成ではこの「当たり前を長く続ける」ことが大きな意味を持ちます。
NISAを始める前に読んでおきたい
NISAを利用して投資を始める人も増えています。
ただ、NISAはあくまで「制度」です。
大切なのは、「何のために、いくら投資するのか」を決めることです。
毎月3万円を積み立てるとして、それが老後資金なのか、住宅資金なのか、それとも将来の選択肢を増やすためのお金なのか。
目的によって、必要な金額も運用期間も変わります。
本書は、NISAの使い方だけを解説するのではなく、その前段階にある「資産形成の考え方」を整理するのに向いています。
これからNISAを始める人はもちろん、すでに積立投資をしている人にも、一度立ち止まって自分の計画を確認するきっかけになります。
「7000万円を目指す本」ではない
タイトルには「7000万円」とあります。
しかし、この数字をそのまま自分の目標にする必要はありません。
重要なのは、著者が7000万円を築いた結果ではなく、そこに至るまでの考え方です。
収入が限られていても、支出を管理し、長期的に資産を積み上げていく。
大きなリスクを取って一気に増やすのではなく、時間を味方につける。
むしろ、毎月の収入が安定している公務員だからこそ、取り入れやすい考え方だと思います。
40代からでも遅くない
「もっと若いうちから投資を始めておけばよかった」と思う人もいるかもしれません。
確かに、資産形成では時間が大きな武器になります。
ただ、40代、50代からでも、やるべきことがなくなるわけではありません。
むしろ、年齢が上がるほど、「自分の場合、あといくら必要なのか」を具体的に考えることが重要になります。
定年までの期間、退職金、年金、現在の資産、住宅ローンなどを整理すれば、これから何をすればいいのかが見えてきます。
「老後が不安だから、とにかく貯める」という状態から、「この金額を準備すればいい。そのために毎月これだけ積み立てる」という状態に変える。
そのための考え方を学ぶ本として、本書は役立ちます。
貯めることだけが目的ではない
資産形成というと、「できるだけ多くのお金を残すこと」に意識が向きがちです。
しかし、お金は使うためのものでもあります。
老後にいくら残すのかだけではなく、現役時代にどのように使うのか。
いつまで働くのか。
退職後にどんな生活をしたいのか。
そうしたことまで考えて初めて、自分にとってのお金の計画になります。
本書は「節約して、とにかく資産を増やそう」という話だけではなく、将来のお金をどう使うのかまで含めて考える点も参考になります。
公務員なら、一度自分のお金を数字にしてみよう
本書を読んで、まずやってみたいのは、自分の数字を整理することです。
- 現在の資産はいくらあるか
- 毎月の生活費はいくらか
- 毎月いくら貯蓄できるか
- 毎月いくら投資できるか
- 退職金はいくらくらいになりそうか
- 将来の年金はいくらくらいか
- 老後の生活費はいくら必要か
- 何歳まで働く予定なのか
ここまで整理すると、「何となく不安」という状態から一歩進むことができます。
そして、足りないのであれば、支出を見直すのか、働く期間を延ばすのか、投資額を増やすのか、あるいは老後の生活費を見直すのかを考えればいい。
大切なのは、不安になることではなく、数字にして考えること。
まとめ:公務員の「安定」を資産形成につなげるために
公務員は、収入が安定しているという大きなメリットがあります。
そのメリットを活かして、長期的に資産形成を進めることは、将来の選択肢を増やすことにつながります。
『氷河期世代のお金の戦略』は、投資で大きな利益を狙うための本というより、自分に必要なお金を考え、無理のない方法で資産を築いていくための本です。
逆に、すでにNISAを始めていても、投資先や利回りばかり気にしている人には、資産形成の目的を見直すきっかけになるでしょう。
公務員に必要なのは、必ずしも大きなリスクを取ってお金を増やすことではありません。
安定した収入を活かして、時間をかけて資産を築く。
そのために何をすればいいのかを考える一冊として、『氷河期世代のお金の戦略』はおすすめできます。





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